2011/02/20

良い結果を狙うと悪い結果がついてくる【池田貴将通信Vol.171】

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■完璧主義は人生の視野も可能性も狭くする
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アンソニー・ロビンズは言います。


“この世の中で完璧主義ほど基準の低いものはない”と。



どういうことでしょうか?

「完璧にこだわる」のは素晴らしいことのように聴こえます。



しかし、アンソニー・ロビンズは
「完璧主義は基準が低い」と言います。


なぜなら、


“「完璧」なんていうものは、永遠に実現しない。

「完璧じゃないからスタートできない」
「完璧でないとお客様の前に出せない」

というのであれば、それはこの世に生まれることはない。”


ご自身の毎日の中で、「完璧」を目指しているからこそ、
「世に出せていないこと」はないでしょうか?


「わたしのプレゼンテーションはまだ完璧じゃないから・・・」

「この企画書はまだ完璧じゃないから・・・・」

「この事業アイデアはまだ完璧じゃないから・・・・」

「この戦略コンセプトはまだ完璧じゃないから・・・・」

「この分野に対する理解はまだ完璧じゃないから・・・・」

「私はまだ完璧じゃないから・・・・」

etc..etc...


「完璧」や「100点満点」で
“なければいけない”と思うことで苦しさが増します。


終わりなき成長の旅が続くのはすばらしいのですが、
アウトプット(作品)が世の中に出ないまま終ってしまいます。


そこがもったいないのです。


完璧にこだわるがあまり、世に出ず、フィードバックがもらえないので、
「改善」するスピードも遅くなります。


日本人が「ものづくり」の中で、

卓越していたのは「“卓越”を目指す姿勢」であって、
「完璧主義」ではありませんでした。



「卓越を目指す姿勢」とは、


「フィードバック」を愛する姿勢であり、

「欲しい結果が得られるまで」アプローチを変え続ける柔軟性であり、

「卓越」のためならば、教えを乞うことを厭わない姿勢です。



また、これまで卓越したリーダー達が求めていたものは、

「完璧」ではなく、「驚くようなもの」であったり、

「完璧」ではなく、「魂が震えるもの」であったり、

「完璧」ではなく、「感動するもの」であったり、

「完璧」ではなく、「美しくてみとれてしまうもの」であったり、

「完璧」ではなく、「ぶっとんだ凄いもの」であったり、、、、


卓越したリーダー達は、完璧ではなく、
自分自身のハートのスイッチが入るものにこだわっていたのです。


しかし、同時に、

達人と呼ばれているような、その道の第一人者の人は、
しっかりとアウトプットしていきながらでも、


周りの人が「もうそのくらいでいいんじゃないですか?」

と言っても、


「いや、まだまだ全然足りていない」と

自分に厳しい基準を定め改善をやめません。


なぜそんなことができるのでしょうか?


それは、もはやそれはその人の「仕事」を超えて、
「人生」まで広がっているからです。


「熱い仕事」を目指す人は、
「熱い人生」を生きようとしている人なのです。


そういう人は「熱いチーム」を求めるかもしれません。


「感動する仕事」を目指す人は、
「感動する人生」を生きようとしている人なのです。


そういう人は「感動を共有できるお客様」を求めるかもしれません。


しかし、


「完璧な仕事」にこだわる人は、
「完璧な人生」を生きようとしてしまいます。


そして、「完璧な自分」「完璧な家」
「完璧な友人」などを求めてしまいます。


どんな気持ちになられるでしょうか?


Q:ご自身は、どんな人生、どんな仕事を目指しますか?
(ヒント:形容詞で表現してみてください)


Q:それには何かにつけて、どんなことを追求していくことがいいでしょうか?
(ヒント:終わりがないものを追求してみてください)


一番、トラップに陥りがちなのは、

「よい人生」をめざし、「よいもの」を求める、ことです。

どういうことでしょうか?


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■「悪い結果」しか手に入らないのは、「良い結果」を出したがるから
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あるセミナーで彼は、
3000人の頭を「?」でいっぱいにしました。


“ 多くの人が、良い結果を出したい、と言っているにも関わらず、

手にしているのは悪い結果だといって嘆く。


なぜ悪い結果しか手に入らないのか?


答えはシンプルだ。


「良い結果」を出したいと思っているからだ ”



え? と思われたでしょうか。


彼は続けます。


“ 「良い結果」は全員出そうとしている。

何かに取り組みながら「良い結果」を出そうと思わない人なんていない。

しかし、「良い結果」をみんな出そうと思っているから、

「良い結果」を出そうとしている人は目立たない。

だから、「悪い結果」しか手に入らない。 ”



良い結果・商品・サービスを出そうと
今は世界中で必死です。


しかし、「良いもの」であるがゆえに、
横並びになってしまうのです。


「なんでこんなによいものなのに売れないのだろう・・・」

他の人からみたら、内心「それは他のところでも似たようなものをやっているよ」
と思うのだけれど、本人には気づかない。


頭一つ出ている人や企業が目出つのです。

もしくは、誰もいないところで、
ひとり目立っている人なのです。


アンソニー・ロビンズは言います。

“「良い基準」を目指せば、 「悪い結果」が手に入る

「すばらしい基準」を目指せば、 「よい結果」が手に入る

「卓越した基準」を目指せば、 「すばらしい結果」が手に入る”



では「卓越した結果」を実現するためには、
どうしたらいいのか?


彼が伝えているのが、


“完璧主義ではなく、

ぶっとんだ基準/非凡な基準(Outstanding)を目指しなさい”

です。


そのためには、「いい人」を目指すのではなく、
「すばらしい人」を目指す。


「完璧な人」を目指すのではなく、
「偉大な人」を目指す。


影響力がとても大きな人は、完璧な人ではありません。

むしろ、その欠点や短所でさえも魅力的にうつってしまう人です。

それは「欠点」や「短所」は、
それはそれでよいと受け入れられているからです。


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■基準とは「~すべき、~しなきゃ」を「当たり前」に変えること
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では、ここで言っている「基準」とは何でしょうか?


アンソニー・ロビンズは言います。


“多くの人は、「~すべき」「~しなきゃ」と口では言う。

でも、「時間がないから」「お金がないから」「自信がないから」
「忙しいから」「明日やれるから」・・・

と言って結局やらない。

しかし、事実はシンプルだ。

偉大なリーダーは、普通の人がしてこなかった事をしただけだ”



卓越した成果を出している人は、普通の人がやらないことを、
何食わぬ顔で、「当たり前」のようにやります。


「え?仕事って終電で帰るのが当たり前じゃないの?」

「え?本って読んだら行動に繋げるのが当たり前じゃないの?」

「え?一日寝る前に次の日の計画って立てるのが当たり前じゃないの?」

「え?仕事は先読みして準備しておくか、質問するのが当たり前じゃないの?」


と、私達はそれぞれ「当たり前」を持っています。


「目覚まし時計がなったら、一度それを止めて、
5分後に設定をして、もう一度寝てから目を覚ます」のを
「当たり前」にしている人もいれば、


「朝日が昇るのと同時に、目を覚ます」のを
「当たり前」にしている人もいます。


まさにその「当たり前」こそが私達の「基準」なのです。

そして、「当たり前の差」こそが、
平凡と非凡の「差」をもたらしているのです。


何を「当たり前」と思うか?

何を「大変だけど当たり前」と思うか?


その「基準」が、「成果」を分けます。


自分の収入や会社の売上が下がっているときに、
不平不満をいうのが当たり前の人と、

そのときに、「嵐が過ぎるのを待つ」
というのが当たり前の人と、

そのときに、自分ができるあらゆることを試そう、
というのが当たり前の人と、

そのときに、「ここから歴史が創られるんだ」
と奮い立つのが当たり前の人と、、、


その後の結果が違いそうではありませんか?


「不景気」「収入ダウン」「売上ダウン」が
私達の結果を決めるのではなく、

私たちの「当たり前」が結果を決めているのです。


自分の「基準/当たり前」を高めることで、
人生で得られる結果は長期的にみたときに、
大きな違いがあるのです。


春に大きな花を咲かせようとしている基準の人は、

冬の間にも着々と準備を進めているのです。



Q:今自分自身の結果を創っている「当たり前」は何でしょうか?

Q:「当たり前」になっていなくて、「大変だ」と思いながら
やっていることは何でしょうか?

Q:そして、何が「当たり前」になったら、
らくらく次の成果へ進めるでしょうか?



「基準が先、結果が後」なのです。