2009/07/26

ガウディ - 建築家の見た夢

「ガウディ - 建築家の見た夢」より


生き物のような建築
「20世紀にはいると、ガウディは持って生まれた才能と奇抜な想像力を融合した、個性あふれる建築物を設計するようになった。彼は、それまで対照的なものとされてきた「構造」と「装飾」を両立させ、独自の様式を確立することに成功したのである。ガウディが設計した建築物は、石やコンクリートでできているにもかかわらず、まるで有機体のようであり、そこに生命が宿っているように見える。このようなエネルギーに満ちた建築物は、建築史上でも他に類を見ないものといえるだろう。」 フィリップ・ティエボー



「建築物は、色を放棄してはならない。それどころか、形や量感を生かすために色を使わなければならない。色は形を補い、生命がそこに宿っていることをはっきりと示すためのものである。」 ガウディ



グエル公園のテラスのベンチ
「これまでにつくられたもっとも総合的な建築は、グエル公園である。グエル公園は建築全般におけるこの上なく輝かしい作品であり(略)我々の文芸復興運動が生み出した成果のうち、おそらく最も超越的なものである。均整の取れた美しいグエル公園は、革新的で現実的で理想主義的で科学的な、我々の精神が実際にこの目で見て、手で触れて確かめることのできる石の作品なのである。」 ガウディの助手を務めた建築家、ホアン・ルビオー『総合建築に到達する難しさ』より



「ガウディは偉大な芸術家だった。芸術においては、人々の繊細な心に触れることができる者だけが生き残り、その名をとどめることができる。しかしそのような芸術家達は、そこに至るまでの道のりの間に、激しくののしられ、理解されないことに苦しみ、今風の罪を背負わされる。

ところがその芸術家の高尚な意図が広く知られるようになると、彼らの建築の意味が明らかになり、導火線の元に集まっていたすべての問題(構造、経済性、専門性、利用法)に打ち勝つ。それまでに費やされた無限の精神的営為のおかげで、彼らは勝利を収めるのである。

建築は、それをつくる人間の性格の産物なのだ。厳密に言えば、その人間の性格の表現なのである。」 ル・コルビジェ 『ガウディ』序文

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